マインドフルネスでストレスを減らす・初めの一歩

自分のストレスに気づこう

ストレスに気づくことは、ストレスを減らす第一歩

ストレスとうまく付き合い、減らしていくには、まず「自分がストレスを感じていること」に気づく必要があります。毎日、家事や育児、仕事で時間に追われるように過ごしていると、自分がストレスを感じていることさえ見逃してしまったり、ストレス状態が当たり前になり、ストレスに気づかないことが多くなります。

私たちが感じるストレスには2種類あります。一つは大きなストレス。大きな商談や転職、異動、引っ越しや冠婚葬祭等、子供の受験等、はっきりとストレスだと認知できるものです。もう一つは小さなストレス。日常のささいなイライラやムカムカ、落ち込み等、自分の思い通りにならないことが起きた時に感じる違和感のようなもの。この小さなストレスは、塵のように、こまめな掃除を怠るとどんどん溜まっていきます。ちょっとしたことで泣き出してしまった、些細なことで激怒してしまった、そんな経験は誰でもあるかと思いますが、それはこの小さなストレスが溜まりすぎて、ダムが決壊するように感情が爆発してしまったケースと言ってよいと思います。小さなストレスは、その都度上手に処理をしていくことで感情の暴発を防ぐことができます。

ストレスにいち早く気づく方法

それでは、どうしたら小さなストレスに気づくことができるのでしょうか。ストレスは4つの形で姿を現しますので、自分のストレスがどんな形で表れやすいかを理解しておくと、発生時にすぐに気づくことができます。下の4つがストレスの「現れる場所・姿」ですが、単独で現れることもあれば、いくつかが一緒に現れることもあります。中でも身体感覚は得に自覚しやすいものです。

私の場合、こんな風になることが多いです:

1.思考

人のせいにしたくなる、「すべてがイヤ」「あの人はいつも」のような極端な考え方になりがち、どうにかして人・状況ををコントロールしようとする、周りが敵に思えてくる、思考そのものが増える(頭の中の独り言が増える)

2.感情

攻撃心・敵対心、焦り、不安

3.行動

歩くのが速くなる、言葉に棘が出る(キツいメールを書く、書きたくなる)、キーボード操作操作が雑で荒くなる、人の話が聴けなくなる、関係のない人にも不機嫌な表情を見せる

4.身体感覚

喉元が閉まる感じがする、手が冷たくなる、顔が紅潮する、胃の辺りが重くなる

…いかがですか?あなたの場合はどうでしょう?最近起こった小さなイライラ、不快な出来事を思い出してみましょう。渋滞に巻き込まれた、子供が約束を破った、部下に頼んでおいた仕事が終わっていなかった…等、思い出し、経験したことを追体験しながら、自分がどう反応するか観察しましょう。頭の中で場面を思い描いた時、あなたの身体にはどんな感覚を感じますか?何を考えていますか?どんな気持ちでしょう?どんな行動に出たくなりますか?

観察する時にとても大切なのは、良い悪いのジャッジをしないこと。何を感じても、何を考えてもOK。「なるほど、自分はこういう反応をするんだな」と知的好奇心を持って自分を知っていきましょう。

ストレスに気づけたら?

上の「観察」を何度か繰り返しているうちに、実際にストレスを感じた時に「あ、いつもの反応が来たな!」とストレス状態の自分をキャッチできるようになります。

ストレスに気づけたら、「あ、自分は今ストレスを感じているんだ」と、ストレス状態にある自分を客観視できていると思います。自分を客観視できれば、そこで次の行動を「選ぶ自由」が生まれてきます。イライラに任せて子供に怒鳴る前に、一旦その場を離れる、深呼吸をするなど、あなた自身が次に何をするかを選ぶことができるのです。また、イライラを増やすような思考(例:「この子は何度言ってもダメだ」「私の育て方が悪かったのでは…」)も自分の意思で止めることが出来ますので、更なるストレスを生むネガティブ思考も止めることができます。

いかがですか?自分がストレス状態にあることを客観的につかむだけで、感情に振り回されたり、更なるストレスが生まれるのを防ぐことができるのです。これがマインドフルネスを使ったストレスとの向き合い方。「観察」を続けて、是非体感してみてください。