先が見えない、壁が高い…そんな時は、足元を見ましょう

やることが多すぎて先が見えず、気分が沈む。やることが難しすぎて、絶望感で胸がいっぱいになる。誰もが一度や二度は経験したことがあるのではないでしょうか。

そんな時は、先を見ず、足元を見た方が気持ちが楽になります。「先を見ず、足元を見る」というのは、これから待っていることについてあれこれ考えるのは止めて、今ここで自分ができることを淡々を行う、という意味です。

これから取り組む課題に対して心が重くなることは誰にでもあります。人間らしく、自然な感情です。ですが、その「ちょっと嫌だな」という感情が、更に心を重くする想像やイメージ、例えば課題に苦しんでいる自分や、うまくいかなかった過去の記憶などを呼び出してしまうと、心は「ちょっと重い」から、「自分にはとうてい無理」、「時間内に終わるはずがない」…のような、極端にネガティブな方向に傾いていきます。あなたにもそんな経験はありませんか?

ああ、嫌だな。
という頭の中の独り言が、

こんなたくさんの仕事、いつ終わるかわからないよなあ。
誰も手伝ってくれないだろうし。
期日までに間に合わなかったらどうしよう。
みんなに無力な奴、できない奴って思われるんだろうな。
どうして私だけがいつもこんな目に合うんだろう。

…という延々としたモノローグに発展し、心がどんどん沈んだ経験です。

「嫌だな」と感じることは自然だし、その感情を受け止めることは必要です。でも、上に書いたような、延々と、「嫌だ」という気持ちを増幅する思考がでてくることが、厄介の素なのです。この思考の連鎖を止めないと、気分はどんどん落ち込み、作業への嫌悪感は強まり、不安で集中力も薄まってしまいます。「百害あって一利なし」とはこのことです。

マインドフルネスがストレスに効く理由の一つは、この思考の連鎖に気づき、ブレーキをかけることができるから。

まず、自分が「ああ、嫌だな」と感じていることに気づきます。そして、その感情がどんな思考を生み出しているのか観察し、「あ、今、自分で自分を不安で煽っているな」「あ、自分で自分にプレッシャーをかけているな」「やたら悲観的になっているな」…と気づいたら、思考の流れを止めます。自分の頭の中に浮かんできたイメージや仮定は、現実ではありませんから。

確かに仕事はいつ終わるかわかりません。でも、「誰も手伝ってくれない」と、今ここの現時点で、100%言い切れますか?期日に間に合わないかどうかも、現時点では未確定です。もし期日までにできなかったら、「みんなが」あなたを無力だ、できない、って思うでしょうか?あなたの味方になってくれる人だって、いるのではないですか? 私だけがいつもこんな目に合っている、というけど、それって真実ですか?

よく考えてみれば、根拠のない理由や、単なる推測で自分を追い詰めていることがわかります。

思考の連鎖を止め、ここまで理解出来たら、次は「足元を見る」、つまり、今できることをやる、それだけに集中します。登山で、登りがきつい時、「頂上まであとどのくらいだろう…」と考えず、ただひたすら、一歩一歩、目の前の道を歩いて行ったら、気がつくとものすごく高いところまで来ていた、という経験はありませんか?それと同じで、あれこれ考えず「今ここ」に集中し、「今ここ」でできることをしていくと、知らないうちに山を登り切っているものです。

前が見えずに心が沈む、壁が高くて心が折れそうな時は、自分の心の中を覗いてみましょう。そして、「今ここ」に戻って来て下さい。
思い煩わず、まずは目の前のこと、あなたが今できることをやってみましょう。